wonder world|ワンダーワールド

コラム

とっておきのおもちゃに出会うために




「いいおもちゃってなんですか?」
― TrixTrackデザイナーインタビュー ―

軽妙なトリック(仕掛け)で子どもたちに人気を博している「トリックストラック」が、日本グッド・トイ2015を受賞。そこで東京おもちゃショーを機に来日したデザイナー、パタナドゥル氏をインタビュー。「いいおもちゃって何ですか?」の質問に、彼から意外な答えが、かえってきました・・・。




大学で工業デザインを学んだのちにワンダーワールド社で18年もの間、製品デザインに従事しているポンサトン・パタナドゥルさん。柔和な顔立ちで、時折見せる少年のような笑顔が印象的。
は、タイでも放送しているNHKの『ピタゴラスイッチ』を見て、クリエイティブが刺激されたんだよ。ブランド立ち上げ当初はもう少しシンプルな構造、たとえば坂をまっすぐ転がり落ちるコースなを考えていたんだけれど、あのテレビ番組を見てとてもインスパイアされたのさ。

ぼくたちが新しい商品を開発する時は、必ずコンセプトを先に考えるようにしている。
たとえば「キャット&マウス」はまず、この2匹の生き物によるストーリーというアイデアが先行し、具現化するうえでその姿が徐々に浮かび上がっていく感じに。ぼくが細かくラフスケッチを描いて、かなり作りこんだサンプルを用意するんだ。それをエンジニアチームに託し、みんなが構造的な裏付けを考え、強度や安全面へも配慮してより現実的なデザインとしてブラッシュアップしていく。
モノづくりのきっかけは本当にいろいろなところに潜んでいるよね。何気ない日常で新商品を思いつくこともあるし、以前はレオナルド・ダヴィンチが手掛けた機械にヒントを得たこともあったんだ。

「トリックス・トラック」は素朴でシンプル、くせがないから、誰にでも受け入れられると思う一方、別の側面もあると思っている。
トリックのバリエーションも多いし、かなり複雑で組み立てが高度、子どもに忍耐を要求するコースだってあるのも事実。そういうアイテムと接する場合には親が慣れさせてあげるのがポイント、親子のコミュニケーションを育むきっかけになると思う。

自国タイ以外で市場に早い段階から受け入れられたのはドイツと日本。だから、ぼくたちは日本のユーザー、子どもたちにとても親しみを感じているよ。
子どもの想像力、妄想力は決して侮れない。彼らのクリエイティビティを大人は過小評価してはいけないんだ。ぼくたち大人よりもはるかに物事の本質を理解するし、コツや技術も素早く習得してしまう。
子どもはワンダーの塊だよね、本当にリスペクト!作っているぼくたちも童心を忘れずに、おもちゃ作りに没頭しているよ。

ユーザーの方には遊び方や遊ぶ場所に縛られずに自由に楽しんでもらえたらとってもうれしい。おうちじゅうをトリックストラックで埋め尽くす壮大なコースなんて、どうかな?
たとえば、階段も使って二階から一階へと縦横無尽にボールが疾走したら、とってもクールじゃない?(笑)




NPO法人日本グッド・トイ委員会によれば、いいおもちゃとは、“夢見る力、生きる力=遊ぶ力を身につける手助けをしてくれるもの”だそうです。親ならば誰しも、おもちゃが単に時間を浪費してその場限りには終わってほしくないもの。子どもの可能性をひろげるおもちゃ選び、大人の責任は重大です。


  • 東京おもちゃショー2015でお披露目された特別モデル。重層的にコースを組み上げた大作にもかかわらず彼は1時間もあれば完成させてしまう。
  • 跳ねるボールの動きに注目したい、進化したトリックストラック「バウンシングスパイラル」

  • レオナルド・ダ・ヴィンチが発明したボールベアリング。こんなところからも発想のヒントが。
  • グッド・トイ賞
    おもちゃや遊びを文化としてとらえ、優れた製品をNPO法人日本グッド・トイ委員会が独自の基準、視点で精選しているグッド・トイ賞に付与されるマーク。

玩具がもたらしてくれるものとは

お子さまは玩具を通して自分と自分をとりまく世界、また様々なことを学びます。お子さまの興味を引き、また学びを助長する玩具を選ぶことは、幼少期の成長過程に大切な事です。

玩具で遊ぶことによって

  1. 物事のしくみを理解をします
  2. 新しいアイディアを発想形成します
  3. 筋肉の使い方を学びます
  4. 創造力を養います
  5. 問題を解く力を養います
  6. 他の人との協力の仕方を学びます

玩具選び

良い玩具は高いとは限りません。またお子さまは多くの玩具を必要とするわけではありません。玩具で遊べるようになると、もっと知育要素は強くなるでしょう。以下はお子さまにとって良い玩具を選ぶヒントです。

  • 動きのある玩具は、モノがどのようにしたら動くのか、連携や問題解決力を助長します。
  • 本や音声などは文字や言葉、音楽を理解させます。
  • 芸術的な題材は創造性を助長し、読み、書き、美しいモノを見る力を促します。
  • 木製のブロックのように長持ちする玩具は配列や重力、また形やバランスを学ぶことができます。
  • モノを組み立てることは、筋力をあげ、科学や数字の力を養います。
  • 楽器や砂、水、粘土などの経験に基づくモノはお子さまのセンスを磨きながら、お子さまの自制心も養います。
  • 活発な遊びは強い筋力を形成し、体をより丈夫にします。
  • 人形やぬいぐるみ、フィギュアなどでのごっこ遊びは、新しい振る舞いや想像力を見出すきっかけとなります。
  • お子さまが保育園や幼稚園などに通うことになればたくさんのおもちゃに触れる機会があります。安全で興味をそそる玩具のある保育園・幼稚園を選ぶことは重要です。また、喧嘩防止のために、似たような玩具を与えることも時には大切です。

お子さまの遊びに関わってみよう

お子さまの考え、ことば、身体の動き、感情に合わせて玩具を選びましょう。お子さまはそれぞれのペースで発育します。お子さまの遊びを見たり一緒に遊んだりすることで、最適な玩具や価値あるアクティビティを選ぶことができるでしょう。1歳~3歳までのお子さまのごっこ遊びを一緒にするご両親は、様々なまた複雑な遊びのパターンがあることを教えてあげてください。徐々に他のお子さまと一緒になってもっとごっこ遊びができるようになるでしょうし、もっと進んだ知的な遊びをし、また他の人たちの感情をより理解するようになったり、社会的に適切な考えができるようになるでしょう。
よい玩具とは

  • お子さまの興味を引くモノ
  • お子さまの身体能力に適したモノ
  • お子さまの精神状態や社会的発達に適したモノ
  • お子さまの年齢に応じて、作られ、長持ちし、安全なモノ

どのようなおもちゃを選べばよいのか?

今日のおもちゃ屋さんは新生児から幼児用の売場にて何千もの品揃えをしています。その中から、最適な玩具を選ぶコツをご紹介いたします。

  • 年齢に適したモノ:赤ちゃんは玩具からもっとも喜びを見出します。年齢に適した玩具は一つ以上の能力を上達させ、発達させます。
  • 安全性:飲み込まないように小さな部品がないか、また毒性のない材質で仕上げられたものであるか、鋭利な角や紐、リボンがないか、これらは玩具を選ぶ際に大切なポイントです。
  • 刺激:適切に使用すれば、良い玩具は1つ以上の触覚や視覚、聴覚、もしくは運動発達能力(手と目の協調、モータースキル、繊細な動き)を刺激することでしょう。
  • 多様性:新しい玩具を購入する前に現在持っている玩具に関して考えてみてください。違う色、違う生地、違う形や違う音のするものを選ぶようにしましょう。バラエティに富んだおもちゃを与えることで、幼いころから無数の可能性を経験させることとなります。
  • シンプル:一般的に、よりシンプルな玩具は少ないパーツで出来ており、よって複雑な玩具より長持ちすると考えられています。また、シンプルな玩具はもっと多用途性があります。例えば、今つかむ、動かす、そしてごっこあそびの土台として使用する、など。どんな玩具を選んだとしても、お子さまの感性を尊重し、遊びたいように遊ばせてあげてください。遊び方がわからなくても独創的な遊び方を自分で発見する能力を持っているのです。

子供の成長発達チャート

この発達チャートは様々な月齢や発達ステージにおける概要となります。これにより、お子さまの行動を理解したりすることができます。

月齢とステージ

お子さまは、幼少期における成熟や成長、発達の段階的過程を通過します。時にはこちらがして欲しくないようなことをすることもあるでしょう。両親はそれに対して非常にストレスを感じますが、その行動が成長の過程において必要であると知ることで、ストレスは軽減されるはずです。

お子さまの個性はさまざまです

お子さまはみな一人ひとり違った特性を持っています。発達のスピードも違いますし、長所や短所も違います。下記のチャートは、それぞれの年齢の平均的な発達ステージのガイドラインを示しております。

チャート